人間関係に疲れた私に差し出された【嫌われる勇気】

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こんにちは、こじかです!

私は子どもの頃から自他ともに認める八方美人でした。面倒くさいことが嫌いなので、争いごとは絶対避けて通りたい。争わないためにはいろんな人から【良い人】と思ってもらうことが一番だと思っていました。だけど、それってすごく疲れます。

自分の意見を押し殺して相手に合わせなければいけない場面も多いです。イラッとしても笑顔で、おかしいと思っても同調しなければいけない。我慢して、溜め込んで、相手が私の生活圏内からいなくなったときにようやく解放される。

そうやって、自分なりにうまく生きてると思っていた私に、とある事件が起きました。今回はその事件の概要と私がそれを乗り越えるために読んだ本をご紹介いたします。

目次

突然ですが、人間関係に疲れました

とあるパートさんの求人応募

私の職場はもともと5人体制で勤務をしていました。5人がお客様の来場数に対しての適切なスタッフの人数です。それが1年前、あるスタッフの退職から会社の都合で補填はフルタイムのパートタイマーさんでと指示がありました。

そのときに入社してきたのが今回のキーパーソンになるパートさん。仮にPさんとします。パートのPさん。(安直)

Pさん

旦那と小学生と幼稚園の子どもとの4人家族。諸事情あり実家に子どもが預けられない環境ですが頑張ります!

とてもお喋りが上手なPさんは、やる気があるという一点のみで人事に関わるすべての人を納得させて採用されることになりました。

私は当時上司だった自称サバサバ系女子に、その家庭環境ではフルタイムで働くのは難しいのではないかと勇気をふりしぼって反対をしていたのですがネガティブだと聞き入れてもらえませんでした…。

パートさんの自由な働き方

引っ越しするので1週間休みます。

というぶっとんだ理由の欠勤をかわきりに彼女の自由な働き方が始まります。

週休2日のフルタイムでの募集だったのですが、彼女の希望で時短になりました。これはこの条件で人事が採用してるので彼女に非はありません。しかし現場にも許可を取って欲しかった…。

  • 娘が熱を出したので休みます ←わかる
  • 息子が体調悪いそうなので早退します ←わかる
  • 歯が痛いので休みます ←ん!?(医者行って出勤とかじゃないんだ)
  • 学校の役員のランチ会があるので ←んん!?(付き合いで大切なことかもしれないけどでも…)
  • 子どもが夏休み中は仕事来れません ←んんん!?(これは面接のとき言ってないらしい。2週間ぐらいまったく出勤してくれません)
  • 雨がひどいので自宅待機します ←………。(特別警戒警報鳴ったけど学校、幼稚園もふつうに登校してた地域が住まい。雨は午前中に止んだが会社には現れず)

Pさん、とにかく会社に来ません!笑

もともと旦那さんが平日休みなのでそこは旦那さんにお子さんを任せて出てこれるとか言っていたのにそこも休みまくります。

当時のこじか

何が起きてるのかわからない

お子さんふたりともどうやら身体が弱いみたいで、今まで一緒に働いてきたパートさんたちにはない頻度で欠勤早退していました。

ひどいときには1ヶ月近く姿を表さないことも…。

週に5日のシフトだったはずが、無理(ストレスで子どもに暴力をふるうようになってしまった)ということで、じゃあせめて3日は来てほしいという話し合いをしました。

しかし現実は週に3日出勤できない(出勤日数が極端に少ない)ので1年半経っても仕事が覚えられずかなりのフォローが必要でした。

彼女のやり残した仕事の手直しや、難解な報告書の解読と修整…全然仕事に来ないのに私物がそのへんに散らばってるので片付けてあげる…(泣)

こじか

正直すごく負担でした…。

来るか来ないかここまでわからないと信用できない。心の負荷もたまっていました。

もちろん、たまに出勤してくれると「ああ、助かるなぁ…」と思うのでもはやDV状態。困ったことに私たちのメンタルが安定しません。

パートさんと対話する

現場の負担と、急な欠勤早退の多いPさんに対する不信から私は人事と所長に相談をしました。

まずは所長からあまりに欠勤が多いこと、身だしなみを注意しても直らないこと(NGなアクセサリー、髪色が明るすぎる)などを踏まえて「やる気はあるのか?続けていけるのか?」の確認をしてもらいました。

Pさん

はい!頑張ります!

所長

やる気満々だな!頼んだぞ!

………以上!地獄!!!!笑

二人のやり取りは以上でした。はい、どっちもどっち!

そうじゃないんだ。どうしたら欠勤、早退を減らせるのかとか、せめて身だしなみはきちんとするとか、そういう具体的な話をしてほしかったわけで…。

それから数日後Pさんから私にお話がありました。

Pさん

もしかしてあの確認は、私に辞めますって言わせたかったのでしょうか?

こじか

いえ、Pさんの気持ちを聞きたかっただけですよ。本当は辞めたいけれど、人数が足りなくなるとか、私達のことを思って続けようとしているのではないかなと思っての確認だと思います。実際、お家のこととか大変そうだったので。

Pさん

正直、子どものこともあるのでこれからも急な休みとかは出てきてしまうと思います。みなさんに迷惑ですよね?

こじか

うーん、正直困ります。出勤してくれるって確信がないと、お客様の予約もわりふれないですし…

Pさん

そうですよね…

こじか

でも、辞めるか続けるかは自分次第です。ご自身で考えていいと思います。何かあれば私たちだって何も考えずに辞めちゃいますから、それはみんな一緒ですよ!

そんな話し合いをした後日、彼女から「頑張りたいけど自分のおかれた環境ではみなさんの期待にこたえられない」という理由で退職すると報告を受けました。

衝撃!パワハラされました!

退職が決まり手続きを行うPさんが、こじかさんからパワハラを受けたので頑張りたかったけど辞める、と触れまわってるというのを同僚から聞きました。

えええ…そんなこと言う!?←このまんま叫んだ

いっしょに働いていた人たちは彼女の欠勤と早退に「なぜ彼女を雇っているの?クビにしないの?」と疑問に思うふつうの感性の持ち主でしたのでそんな噂突っぱねてくれます。大丈夫。ここでPさんに感化されたのは、あの人です。

そう、自称サバサバ元上司S様!!(コチラの記事参照)

退職をした、あの一番厄介な人にPさんはわざわざ連絡をとったのです。

Pさん

こじかさんにパワハラを受けたので、頑張りたかったけど辞めます。私を採用してくださってありがとうございました…。あ、あとこじかさんあなたの悪口めちゃくちゃ言ってました

こじか

わあああ!!めんどくさい!!

悪口じゃなくて愚痴なら言った!!なんならあなたもめちゃくちゃ言ってた!!一緒に言ってたよね!!笑

私がその人のこと苦手だからあえてその人を選んだ(他の人だと相手にしてもらえないのもわかってた)としたら、現代の諸葛亮にもほどがあります。効果は抜群だ!!

Sさん

わかる〜!こじかちゃん、私が辞めるって決まった2ヶ月ぐらいからなんでか関係悪くなってたんだよね〜。そういうとこあるよね〜

こじか

辞めるって決まってから拍車がかかったあなたのワガママっぷりはあなたの記憶にないのか…そうかぁ~!

そしてなにより、こういうことは私の知らないところでやってもなんでか私の耳に入るようにできているんですね。もうちょっとうまくやってくれないかな~。つらい!

打ちひしがれる

もともと少し変わった人と思っていたけど、ここにきてこういったかたちで陥れられると思いませんでした。パワハラなんて事実はなくてもふつうに凹みます。

何がそんなに気に障ったのか…。仕事のミスが多いことや身だしなみを所長に報告したこと?仕事に来てくれないと困るって言ったこと?とにかく人間怖いです。

八方美人をしながら、めんどくさいしがらみを避けてきた私に降りかかる試練。

「あー、なんかもう色々しんどい…」

そう落ち込む私に、友人が差し出してきたのは一冊の本でした。それが『嫌われる勇気』です。

嫌われる勇気

タイトルを見てまず思ったのは「嫌われる勇気なんて、ない!」でした。

私だって人並みに承認欲求がありますし、嫌われるぐらいなら好かれたほうが何ごとも絶対うまくいくと思いませんか?それなのにアドラーは、嫌われる勇気と言うんです。無理に決まってる!

本を読むのが遅い私ですが、この本は一見して誰でも読めるように書いてあることが分かりました。なぜなら始終、対話形式で書かれているんです。

登場人物はふたり、哲人と青年。哲人とは哲学者の男性のことです。

かつて1000年の都と謳われた古都のはずれに、世界はどこまでもシンプルであり、ひとは今日からでも幸せになれる、と説く哲学者が住んでいた。

納得のいかない青年は、哲学者のもとを訪ね、その真意を問いただそうとしていた。悩み多き彼の目には、世界は矛盾に満ちた混沌としか映らず、ましてや幸福などありえなかった。

引用:嫌われる勇気より

こんなかんじではじまります。かんたんに言うと哲人を論破したい青年が、哲人を訪ねてはひたすら食ってかかる本でした。

なんていうか…可愛いです。可愛い。青年が可愛い。シンプルに萌える。

きっと自分が青年の頃に読んでいたら、いたたまれなくて赤面しながらそっと読むのをやめていた気がします。そのぐらい若さのエネルギーがあって、不安定さや自信のなさを言動から感じ取れます。

哲人との対話に余裕がなくなるとめちゃくちゃなこと言い出したりします

哲人「はぐらかしてはいけません。短所だらけの「こんな自分」でいることはあなたにとってかけがえのない「善」すなわち「ためになること」なのです」

青年「ええい、このサディストめ!あなたは悪魔のような御方だ!そうです、たしかにそうですよ!わたしは怖い!対人関係の中で傷つきたくない。自分という存在を拒絶されるのが、怖ろしくてならないんです!認めようじゃありませんか!まったくそのとおりですよ!」

引用:嫌われる勇気より

ええい、このサディストめ!がツボすぎて。すごいこと言いますよね!笑

でも私には、これこそが対話だと思えていっそ清々しいです。相手の顔色を伺わずに、思ったことをぶつけてる青年とそれに答える穏やかに辛辣な哲人のやりとりが気持ちいいのです。

こじか

これこれ、これこそが対話だ!人間として生まれたんだ!意見をぶつけ合うのは素晴らしい!(とできない私が言う)

私の不自由な生き方

哲人曰く、「自由とは、他者から嫌われることである」

哲人「確かに人から嫌われることは苦しい。できれば誰からも嫌われずに生きていたい。承認欲求を満たしたい。でも、すべての人から嫌われないように立ち回る生き方は、不自由きわまりない生き方であり、同時に不可能なことです。自由を行使したければ、そこにはコストが伴います。そして対人関係における自由のコストとは、他者から嫌われることなのです。

青年「違う!絶対に違う!そんなものは自由なんかじゃない!それは悪党になれとそそのかす、悪魔の思想だ!」

哲人「きっとあなたは、自由とは「組織からの解放」だと思っていたのでしょう。家庭や学校、会社、また国家などから飛び出すことが、自由なのだと。しかし、たとえ組織を飛び出したところでほんとうの自由は得られません。他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを怖れず、承認されないかもしれないというコストを支払わないかぎり、自分の生き方を貫くことはできない。つまり、自由になれないのです。」

引用:嫌われる勇気より

私が今回の出来事を息苦しく感じ、傷ついていたのは、私の誰からも好かれたいという都合の良い思いのせいでした。きっと、この本によると自分を不自由にしていたのはPさんではなくて自分だったのです…。

人は自分が正しいのだと確信した瞬間、すでに権力争いに足を踏み入れている。それはやっぱり私の望むべきことではないです。争いはイヤ。平和が一番。

だからこそPさんが最後に行ったことを知っても私は何もしませんでした。ただ、何も知らないふりをして、送別の品を用意してさよならをしました。

アドラーは言います。自分が正しいと思うのなら、他の人がどんな意見であれ、そこで完結するべきだと。争うことをせずに。ただ相手から嫌われる勇気をもつ。

自分の信じる最善の道を選ぶこと。

他者の課題には介入せず、自分の課題には誰ひとりとして介入させないこと。

こじか

パワハラって言われても、気にしない。私の選択に対して相手がどのような評価を下すのか。これは相手の課題であって私にはどうにもできない話です。私は私の信じる最善の道を選んだ。ただそれだけ!

嫌われる勇気を持つ。
私を私自身を生きやすくしてあげる。

私にはちょっと難しいけれど。でもそんなふうに、ちょっとだけ立ち直るきっかけをくれた本でした。

アドラー心理学は勇気の哲学

他人のためではなくて自分のために生きる。

この本には私の心を軽くしたふたりのやりとりがあります。

人生、しんどい。

そう思ったらぜひ、読んだことがないようでしたら一度目を通してみてください。二人の会話のどこかに、あなたの心を軽くしてくれるヒントがあるかもしれません。

こじか

哲人にわたしとあなたはもう友人ですよ、と言われて戸惑う青年可愛すぎます!イイ!

最後までお読みいただきありがとうございます。

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