ショッピングモールを歩いていると、ホールに笹が飾られていました。
綺麗に飾り付けをされて、ひらひら揺れるカラフルな短冊。
「七夕だ!」
独身社畜OLこじかには、少々縁のないイベントだったのですっかり忘れておりました。
7月7日は七夕です。そして思いました。
「あの願い事って、誰に叶えてもらえるの?そもそもなんで願い事を書くんだっけ?」
七夕と言えば、誰もが知る織姫と彦星の物語。
以下こじかの乏しい記憶を辿る…
はた織りを一生懸命にする織姫と、誠実で真面目な牛飼いの彦星。
ふたりの頑張りを認めた織姫の父である天帝が二人を引き合わせ結婚させてくれました。
それからの織姫と彦星は、初めての恋愛だったこともあり仕事をしないで楽しく遊びまくり、あんまりにも仕事に戻らないからついに天帝が怒って天の川を挟んでふたりを引き離してしまいました。
後悔と無念のどん底で悲しむふたりを哀れに思った神様が年に一度七夕の日だけふたりを会わせてあげることに。ふたりはその日のために仕事をより一生懸命に頑張りました。
極端!織姫も彦星も神様も、登場人物が全員極端!あとせめてもう少し会わせてあげて欲しい…!私も仕事頑張るから!
って、あれ!この物語のどこに願い事のタイミングがあるの!?
ということで、今回は七夕について調べてみました。七夕の由来や、願い事のあれこれ等をまとめました。
七夕に詳しいなんて、なんだかロマンチックでいいですよね!
登場人物
天の神様(天帝)
天の川の近くに住んでる天の神様。
織姫(こと座の一等星ベガ)
天の神様の美しい一人娘。機を織って、神様たちの着物を作る仕事をしている。
織り姫のつくる着物はそれは美しく、神様たちがとても喜ぶ。
彦星(わし座の一等星アルタイル)
天の川の岸で天の牛を飼っている若者。たいそう働き者でとても立派。
七夕の由来
中国の行事「乞巧奠(きこうでん)」という織女星にあやかってはた織りや裁縫が上達するようにとお祈りをする風習から生まれました。
また、「棚機(たなばた)」という古い日本の行事も由来になっています。
女性が着物を織って棚にそなえ、神さまを迎えて秋の豊作を祈ったり人々のけがれをはらうというもの。
選ばれた女性は「棚機女(たなばたつめ)」と呼ばれ、川などの清い水辺にある機屋(はたや)にこもって神さまのために心をこめて着物を織ります。
そのときに使われたのが「棚機(たなばた)」という織り機です。
もともと日本ではお払いの行事だったんですねー
やがて仏教が伝わると、この行事はお盆を迎える準備として7月7日の夜に行われるようになりました。
現在「七夕」という二文字で「たなばた」と当て字で読んでいるのも、ここから来ていると言われています。
願い事は誰にするの?誰が叶えてくれるの?
ずばり、誰も叶えてくれる人はいないです!!
織姫にあやかって機織りの上達を願ったのがルーツ。七夕は書道・裁縫・音楽・和歌など芸事の上達を願う行事なのです。
七夕は誰かに願い事を叶えてもらう行事ではなく、自分で叶えるためにがんばる宣言をする行事なのです。
とはいえ、今は自由に願い事を短冊に書くのが普通です!誰しもモテたいし、お金持ちになりたいですから自由に願い事を書いちゃいましょう!(笑)
七夕豆知識
七夕飾りの意味
短冊
中国の木・火・土・金・水の五行にちなんで青・赤・黄・白・黒の五色の短冊に願い事を書きます。中国では短冊ではなく、織姫の織り糸にちなみ、吹き流しや五色の糸をつるします。
青→自然の緑を表現している「木」(緑のことも)
赤→火を表現している「火」
黄→大地を表現している「土」
白→地中に埋まっている金属を表現している「金」
黒→生命を育てることを表現している「水」
笹の葉
冬でも緑を保ち、まっすぐ育つ生命力にあふれた笹や竹には、昔から不思議な力があると言われてきました。
神聖な植物ゆえに、そこに神を宿すことができるとも言われています。祭りの後、竹や笹を川や海に飾りごと流す風習には、竹や笹にけがれを持っていってもらうという意味があります。
飾り
- 紙衣
-
織姫にあやかって裁縫が上手になりますようにという願いがこめられる。
- 巾着
-
今でいうサイフのこと。お金がたくさん入ってきますようにという願いがこめられる。
- 網飾り
-
漁業での大量を願う。また、幸福を網いっぱいとれますようにという願いがこめられる。
- 鶴
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鶴は長寿の象徴。健康と長生きの願いがこめられる。
- くずかご
-
ゴミをかたずけることから整理整頓ができるように。
- 吹き流し
-
糸を表現。裁縫や機織りが上手になるようにという願いがこめられる。
- 提灯(ちょうちん)
-
まわりを明るくしてくれますようにという願いがこめられる。
- 星の飾り
-
「おりひめ」と「ひこぼし」の表現。
それぞれに色んな意味があるんですね。それにしても、これだけの飾りを用意できる人はすごいです!願い叶いそう~
行事食
そうめん
そうめんの形状が七夕の天の川を連想させたり、織姫が織機で織ってたい織物の色に形状が似ていることから食べられることが多いです。
世界の七夕伝説
世界の七夕伝説ご存じですか?日本の物語は中国の伝説由来でほとんど内容が同じです。世界にも、天の川を挟んだふたつの星にまつわる伝説があります。
ギリシャの物語
ギリシャにたて琴が上手いオルフェウスという吟遊詩人の青年がいました。オルフェウスが川のほとりでたて琴を弾いていると、それに合わせて美しい少女が踊っています。その少女はエウリュディケといい、2人はすぐに恋におち、結婚しました。
仲良く暮らしていましたが、ある日川のほとりを散歩していたエウリュディケが、毒蛇に噛まれ亡くなってしまいます。
悲しんだオルフェウスは、妻を取り戻すために冥府まで行きました。冥府の悪魔を自身の琴の演奏で制し、ついに冥府の王ハーデスに妻を連れて帰ることを許されましたが、「連れ帰る間、決して振り返ってはいけない」という条件を与えられます。しかし地上に到着する寸前のところで、不安に駆られたオルフェウスは、振り返って妻の姿を見てしまうのです。
妻を失い一人で地上に戻ってきたオルフェウスの身には、その後も悲しい出来事が襲いかかります。
悲嘆にくれてやがて女性との交流を断つようになり、オルフェウスに侮辱されたと勘違いした女性たちが嫉妬を抱き、ついには殺害に至ったと言われています。
怖いです。悲劇です。嘘でしょ?って言いたくなるレベル。オルフェウスが何をした。
オルフェウスを憐れんだゼウスが、彼の琴を天に上げ、星座にしました。それがこと座だそうです。
それにしても、ゼウスってなんでも星座にすればいいと思ってません?(笑)
フィンランドの物語
あるところに、ズラミスとサラミという仲の良い夫婦がいました。本当に仲が良く、いつも一緒の2人でしたが、死ぬときまでは一緒にはいられません。
2人は亡くなった後、それぞれ別々の星になりました。しかし、死してもなお愛し合っていた2人は、死んだ後も一緒にいたいと思い、空に漂う星屑を並べて、2人の星の間に光の橋を作ろうと決めました。
毎日、毎日、2人は星屑を集めました。長い長い年月をかけ、千年もの時が流れ、2人の星の間にはきらきら光る星屑の橋が出来ました。千年会えなくても決して諦めなかった2人は、その星屑の橋「天の川」を渡って、再び会うことが出来たのでした。
素敵すぎる…!素敵すぎます!
「面倒くさいわ。もういい。やめたろ」とならずに会いたくて会いたくて千年相手を想っていたということですよね?憧れる~!
以上が世界の有名な天の川にまつわる伝説でした。世界中から見える天の川、それぞれの物語がとても面白いですよね。
まとめ
以上が七夕についての知識色々でした。
やっぱり日本の文化って面白いですね。独自のものに外国からの文化を取り入れて混ぜ込んでいくあたりが、日本人らしいというかなんというか…。
ちなみに、織姫と彦星って切ないって思っていたけれど、星の寿命を人間の寿命に置き換えると5秒に1回は会っている計算らしいです…!めちゃくちゃ会えてる!(笑)
行事のルーツや意味を知ると、ますますそのイベントが楽しくなって良いですね!
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