ダイの大冒険には、魔王軍から味方になってくれるキャラクターがいます。
どのキャラクターもとても魅力的で、それぞれに名言を残しています。
今回はそんな敵から味方になった人物5名を名言とともにご紹介!
ダイの大冒険、敵から味方になったキャラクター
クロコダイン
魔王軍百獣魔団長からダイたちの頼もしい仲間になってくれた魔王軍幹部。作中でも屈指の怪力と鋼鉄のように頑強な肉体、強靭な生命力を持っている。
バランのギガブレイクを耐えきり、シグマのオリハルコンの腕をねじ切ってしまう腕力を誇るなど本当に頼りになる味方だった。終盤では最終戦闘に参加できなかったが、クロコダインがいなければ切り抜けられなかった場面は何度もあった。
少なくとも彼がいなければヒュンケルはダイの味方として戦うことは出来なかった。
ヒュンケルがいなければアバンの使徒が揃わないからミナカトールできなくて詰んでます…!
「人間は強い…! そして優しい生き物だ! ともに力を合わせ喜びと悲しみを分かちあうことができるんだ ただ強いだけのオレたち魔物とは違う…!」
魔王軍にいるヒュンケルに人間の素晴らしさを教えようとしてくれる台詞です。
この台詞を聞くたびに背筋が伸びるのです。クロコダインが言う強く優しい人間で自分はいられているのだろうかと。
ダイのパーティの中では「大人の漢」ポジションのクロコダインがヒュンケルに伝えた台詞も格好いいです。
「オレは男の価値というのは どれだけ過去へのこだわりを捨てられるかで決まると思っている たとえ生き恥をさらし 万人にさげすまれようとも 己の信ずる道を歩めるならそれでいいじゃないか…」
漢だなぁ…。過去へのこだわりまみれになってしまった大人にこそ聞いてほしい。己の信じる道を進めるならそれでいいって思えるぐらいに強い信念のある人間になりたい…!
たびたび、人間はいいなぁと言っているクロコダインを見て涙が出そうになるんです。人間とか魔物とか関係なくクロコダインは素敵だから~!泣
バラン
魔王軍の超竜軍団長として登場。一般に「竜騎将バラン」と呼ばれている。
その正体は最後の純血の「竜の騎士」にして主人公・ダイ(本名ディーノ)の父親。
人間達の迫害が元で妻のソアラを失い、愛する息子とも生き別れて絶望していたところを大魔王バーンからの誘いを受け、自分の配下である「竜騎衆」と共に魔王軍に加わっていた。
なんで魔王軍なんかに…!とも思うが、控えめに言って人間側がクソなので仕方なし。力がある者を怖れ、人間ではないからという理由で迫害する器量の小さい人間が悪い。
その後消息不明だった息子のダイと再会を果たすも、敵同士であったために骨肉の死闘を演じることとなる。
ダイと対峙するも、垣間見える愛。息子に対する不器用な愛。
「まだ人間を滅ぼすなんてことを言うのか」とダイに問われたときの、
「…いまさら… 生き方を変えられん …大人とはそういうものだ…」
この台詞から、彼の複雑な胸中が伺えます。
大人ってそうやって変わることを拒否しがちなのも、大人になった今ならわかる。しがらみも多いしね…。
また、もともとの性格は穏やかで優しい人だったことが過去の回想で描かれます。
情が深いからこそ、人間に迫害されて母を失ったラーハルトを実の息子のように思っていたし、不器用ながらもダイの父として仲間として最後は彼と一緒に戦い、守り散っていったのです。
「…子供がどう願っても親とは常にこうしてしまうものなのだ」
「…泣くな、ダイ 私は真の騎士ではない 力も…魔力もあったが…心が無かった おまえにはそれがある おまえを育てた 怪物(モンスター)というのは… 私などよりずっと… 正しい…人の心を持っていたのだろうな……私の死などで泣くことは無い…おまえにとっては その方が父だ…」
ブラスじいちゃんにも敬意を払ってくれるほどに改心してる…。
心が無かったのではなくて、心があったからこそ深く傷ついて道を見失っただけだと私は思います。というか人間が悪い(3回目)
ダイと分かり合ってからのバランの優しい目が大好きです。分かり合えて本当によかった。
ダイとバーンとの闘いの最終局面にて。バーンパレスにひとり残って戦うダイを、死してなお見守り、導き、励ましながら一緒に戦ってくれたバランに涙が止まりません。
あのタイミングの真魔剛竜剣は胸熱すぎる…。
ソアラのこと、ダイのこと、本当に大切に思っていたんだなぁ…。
ラーハルト
バランの部下で竜騎衆最強の男。魔族の父と人間の母の混血児で槍術の達人。外見や身体能力は魔族っぽいけれど、ヒュンケルの好敵手だけあってとにかくイケメン。
作中最速のスピードの持ち主で、本気でない状態でも残像を生み出す超高速移動で敵を翻弄。その槍捌きから生み出される真空波を使った攻撃が得意で、ヒュンケルを槍使いにした罪な男。
竜騎衆編で退場したと思いきや、最終決戦で甦り、闘えないヒュンケルに代わってダイを守るために命をかけてくれる。
というのも自分の孤独、悲しみと怒りを初めて理解してくれたバランを父親のように慕い、バランも唯一ソアラとの悲劇を直接語り「もう一人の息子」と手紙を残していたほどの絆があったから。
ラーハルトが優先するのは、作中通して忠誠を誓うバランとその息子のダイに対してのみだった。
マジで徹底しすぎてミストに乗っ取られたマァムを躊躇なく彼女ごと殺そうとしてたのはびっくりしました。クロコダインがすごく止めてた(笑)
「たとえオレが太刀打ちできずとも ダイ様さえ勝てればそれで良いのだ そのための捨て石になるのが竜騎衆の頭たるオレの役目! ダイ様の弾よけにでもなればそれでいい! それだけでも 助けに行く価値はあるッ…!!」
最終決戦でバーンと対峙しても力になれるとは限らない。それなのになぜ命をかけてバーンの元へ行こうとするのかの話し合いをしているときのセリフです。
すべての戦いを勇者のためにせよ!を地でいくラーハルト。ヒュンケル戦線離脱後の彼の援軍は本当に頼もしかったです。
大魔王戦で先陣をきって傷ついていった彼が命を投げ出して闘っているのだというのがわかるコマ。
「…もはや…目が見えん…! 大魔王はどっちだっ!?」
このシーンは鳥肌立ちました。わああラーハルト…目が!目がぁ!泣
とは言え最終的に視力を失ったわけではないみたいで良かったです。
そしてダイとバーンがタイマン勝負になった最終局面。レオナですら不安な顔をしていたあの時、
「心配いらん!ダイ様は必ず勝つ!あの方は戦神の息子なのだから…!」
と言ってくれたところでさらに好きになりました。レオナも読者も励まされたよ!
最終決戦後はヒュンケルとダイを探す旅に出てくれていました。ふたりともエイミさんが後ろから付いて行ってるの絶対わかってるよね…。笑
ハドラー
アバン先生の好敵手。味方サイドで一番伸びたキャラクターがポップだとすれば、敵サイドで一番伸びたキャラクターがハドラーと言えるだろう。
かつては魔王ハドラーと呼ばれ、自身の軍勢を率いて地上の平和を脅かしていたが、勇者アバンに倒されている。
しかし大魔王バーンの手により6大軍団を統括する魔王軍の司令官として復活を遂げ、ダイを始めとするアバンの使徒たちと死闘を繰り広げることになった。
その戦いの中、彼らを倒すことに自分の全てを賭けるだけの意義を見出し、文字通りの全身全霊をかけてダイの前に立ちふさがる。
…語りきれない。正直ハドラーに関しては後半の親衛騎団登場以降カッコよすぎて語りきれないです。(前半は鼻水出したりかなりダサいし小物感すごいけど)
闘って闘って、最終的にどこか通じ合っていく…これが本当の好敵手というものなんですね。
ダイとの決戦後、敗れたハドラーの「み…見事だっ!我が全身全霊ッ!敗れたりっ!」でまず泣くじゃないですか。
そこからキルバーンの罠にダイとハドラーが陥れられ、予見していたポップが救出に飛び込むも、3人で窮地に陥るあの場面。
ポップが諦めかけた瞬間に。
「……オレが生命を賭けてまで倒そうとしたアバンの使徒! それは不屈の魂を持った希望の戦士だっ! 最後の最後まで絶望しない強い心こそがアバンの使徒の最大の武器ではなかったのかっ!!」
敵だった、アバン先生の仇だったハドラーのほうが、アバンの使徒本人たちよりもアバンの使徒にこだわっていたことがわかる台詞。
ハドラー言葉にポップが勇気を取り戻すまでの一連が本当に名シーンです。
そのポップとともにキル・トラップに取り残された際には、自分のためにポップが脱出できなかったことを悔やんで涙し、「この素晴らしい男だけは殺さないで欲しい」と生まれて初めて人間の神に祈るハドラー。
あのハドラーが! 人間 の 神 に ですよ!?しかもポップのために!!
で、このふたりをアバン先生が助けてくれる展開はまぎれもなく………神(原作の三条先生)よ!!
アバン先生の生存については賛否両論ありますが、アバン先生にはフローラ様がカールの守りを与えているし不自然ではなかったと思います。ドラクエでも“いのちのいし”というメガンテの対象者の命に代わって砕け散るアイテムは存在していますしね!
そしてハドラーは、アバンが生きて帰ってきたこと、その腕の中で最期を迎えられることに心から感謝し「人間の神もなかなか粋な奴のようだ」と語りながら消えていきます。
そんな彼の最期に、ポップは「まぎれもなく自分たちの仲間だった」と言葉を贈るのです。
あー無理………これは泣く。
ハドラーが後に残したものはかなり大きく、死してなお、ヒムの誕生と成長、最終決戦時アバン先生をキルバーンの罠のメガンテから救うことに貢献しています。
男の人ってハドラーファン多いですよね!私も大人になってはじめて彼のカッコよさに気が付きました!
ヒム
初回登場時はとてもウザいキャラのヒムです。(そういうキャラ多い…笑)
オリハルコン製のチェスの駒を元に、ハドラーが禁呪法により生み出した意思を持つ五体の金属生命体。ハドラー親衛騎団の“兵士”。
ハドラーの「闘志」を色濃く受け継ぎ、前のめりで荒削りな行動が目立つけれど誇り高く、卑怯な戦法を良しとしない熱血漢。
敵にすると面倒くさいけれど、味方になってからはめちゃくちゃカッコいいし(可愛い)ヒム。
バーンパレスの戦いでヒュンケルに敗れて転落、死亡したと思われていたが、不屈の意志とアバンの腕の中で死したハドラーらの遺志により光の闘気を持つ一個の生命体となる。
復活後、再戦したヒュンケルに敗北し、説得されて生きることを決意。以降は再起不能になった彼の代理としてダイたちの仲間として共闘してくれる。
ハドラーができなかったダイの仲間になるという選択を彼ができたのは感動…というかヒムはハドラーの意思を継いでいるからもはやハドラーが共闘しているということにもなる!熱い!
そして闘気を纏った拳で殴るのが似合う男へと成長していく。
闘気拳(オーラナックル)がヒムっぽくていい。
チウに強制的に獣王遊撃隊に入隊させられて以降、江戸っ子な言い回しやギャグ役をやることが多くなりますがそこがまたいいですよね。愛しい。
魔力炉に閉じ込められたとき、グランドクルスを見よう見まねで放ちボロボロになりながら皆を助けてくれた時のセリフ。
「本当…言うとな…好きになっちまったんだよな おまえら…人間たちを…そしておまえらの仲間たちもな…! ここにいる奴ら全員…オレは好きだぜ 絆を守るためなら生命をも捨てるバカばっかり…! オレの戦友たちとそっくりだっ!! もう誰一人悲しい顔にゃあさせたくねぇんだよッ!!見そこなうなって…!!てめえが不死身ならっ…!…不死身ならっ!!オレもまた不死身だぁーーーーーっ!!!!」
ヒュンケルにグランドクルスをさせて死なれたら、オレがヒュンケルを倒せなくなるからオレがやるって言いだしたあとにこれです。待って、好き。
背中を向けてそんなこと言われたら読者みんなヒムのこと大好きになっちゃうでしょうが!
グランドクルス発動後、彼が死んだと勘違いしたチウに永久欠番とされ「そりゃねえよ。ちゃんと生きてるってば」とボヤいている姿も良かったです。
すべてが終わった後はヒュンケルと旅に出るのかと思いきやチウたちとデルムリン島にいて……。
隊長さんについていったのかヒム…最後までいいキャラしてる…。
まとめ
以上、ダイの大冒険にて~敵から味方になった人物編~でした。
ダイ大のキャラクターは有能しかいないなんてよく言われますが、本当にそう思います。
そしてなにより子どもの頃に読んだ時にはこの枠のキャラクターよりもやっぱりアバンの使徒に憧れがちだったのですが、大人になるとむしろこの人たちの生き様が沁みる。
バランとハドラーが特に沁みます…。格好いい!!
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